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その6. 宗教的イメージの高揚を意図した間取り |
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大乗寺客殿では身分の高い人の来訪では、「孔雀の間」「芭蕉の間」を通って「山水の間」に入ります。一方、僧侶が仏間に入るには「農業の間」「使者の間」「禿山の間」を通って「仏間」に至ります。この過程で襖絵は「農業の間」の平地、「使者の間」の山の登り口、「禿山の間」の深山の中、と情景が変わります。人が大勢いる平地、人のまばらな山の登り口、人のいない険しい山中へと各部屋の襖の絵柄とともにその視界が高くなっていきます。それは描かれた情景とともに仏間=頂上の蓮池に向う人の心の内を浄化し、心身の昇華をイメージさせ、俗界を抜け仏様の元に向かう宗教的高揚をもたらす役目をもっています。 応挙はこれらを意図してそれぞれの絵師にテーマを与えたとも考えられています。各部屋には序々に俗世を離れ深山幽谷に心を清め、仏様の部屋に向うそれぞれの場面に相応しい襖絵が描かれているのです。 |
仏間に至るイメージ図 クリックすると拡大します |
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◆大乗寺を知る その1. 空間芸術家でもあった応挙 その2. 十一面観音と客殿 その3. 立体曼荼羅 その4. 大乗寺の立体曼荼羅(障壁画空間) その5. 客殿が曼荼羅になっていることがわかったのは? その6. 宗教的イメージの高揚を意図した間取り その7. 絵画空間と現実空間の接点 その8. 大乗寺の隠された符丁 その9. 行方知れずの絵 その10. 長くなった絵、短くなった絵 その11. 新しい発見1 二間続きで絵を見る。 その12. 新しい発見2 かすかな線は水辺となって見える… |
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