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その5. 客殿が曼荼羅になっていることがわかったのは? |
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大乗寺の障壁画が立体曼荼羅になっていることは言い伝えられたことではなく、そのことが解ったのは近年になってからです。 それまでは絵画の価値として認められてはいましたが、あくまで平面の絵として素晴らしい芸術品であるという評価でしかなかったのです。 大乗寺の長谷部住職は以前より客殿の襖絵とその全体の構成に何か意味があるのではないかと考えていました。 昭和37年頃、大乗寺の聖観音像が盗難に遭い、運よく返ってきたのですが傷んでおり、その観音像を京都の国宝修理所に修復のために預けることになりました。 当時の国宝修理所の所長は仏像彫刻家の西村公朝(故人)氏で、西村公朝氏は東京芸術大学の名誉教授でもあり、数多くの仏像の修復を手がけ広隆寺の弥勒菩薩の修理をしたことでも有名な天台大仏師です。 それを機会に西村公朝氏と大乗寺長谷部住職との間に親交が始まり、互いにあれこれを話すうちに、長谷部住職が以前から気になっていた客殿全体の構成の意図にひとつの解答が見つかったといいます。 その後も様々な側面からも検証しましたが、客殿が宗教的思想空間を形成しており、それはまさに絵画による立体曼荼羅であるとの確信に至ったのです。 |
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◆大乗寺を知る その1. 空間芸術家でもあった応挙 その2. 十一面観音と客殿 その3. 立体曼荼羅 その4. 大乗寺の立体曼荼羅(障壁画空間) その5. 客殿が曼荼羅になっていることがわかったのは? その6. 宗教的イメージの高揚を意図した間取り その7. 絵画空間と現実空間の接点 その8. 大乗寺の隠された符丁 その9. 行方知れずの絵 その10. 長くなった絵、短くなった絵 その11. 新しい発見1 二間続きで絵を見る。 その12. 新しい発見2 かすかな線は水辺となって見える… |
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