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その4. 大乗寺の立体曼荼羅(障壁画空間) |
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初期の仏教では仏様はお釈迦様ひとりのことを指していましたが、仏教の発展とともにお釈迦様は歴史上の人物から聖なる存在へと変わっていきました。その結果多くの仏が考え出されましたが、それらをまとめる根源的なるものが大日如来となり、また仏法を守る護法尊といわれる仏は「天」と呼ばれ現世利益と結びついて民衆の人気を得るようになりました。その代表的なものが四天王でその他に梵天、帝釈天、吉祥天、弁財天などがあります。 四天王は東を守護する持国天、西を守護する広目天、南を守護する増長天、北を守護する多聞天からなり、持国天は生産、経済を、広目天は芸術、文化を、増長天は政治を、多聞天は生命、医薬を司るといわれています。 大乗寺では客殿の持仏十一面観音を中心に ●仏教上の東にあたる部屋には「四季耕作図」で農作業の様々の情景を描くことにより、人の営みを表現し、持国天の司る生産と経済を暗示させています。 ●仏教上の西にあたる部屋には雄大な水の流れをテーマとした「山水図」があり、山川草木をはじめとする自然の摂理を表現し、広目天の司る芸術、文化をイメージさせています。 ●仏教上南にあたる部屋には優れた政治家で人望厚く、長寿でもあった「郭子儀図」を描いて増長天の司る政治を表わしています。 ●仏教上北にあたる部屋には「群仙図」を描いて不老長寿から生命、医薬をイメージさせており、多聞天の司る世界を象徴しています。 このように四天王が十一面観音の四方を守護するのと同様の意味を各部屋にもたせています。 応挙一門の描いた大乗寺客殿はそれ自体が宗教的意味をもった障壁画空間(立体曼荼羅)であることが近年になってわかり、再評価されています。 |
客殿での四天王の配置 クリックすると拡大します 「四季耕作図」と生産・経済を暗示させる持国天 「山水図」と芸術・文化をイメージさせる広目天 「郭子儀図」と政治を表わす増長天 「群仙図」と生命・医薬をイメージさせる多聞天 |
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◆大乗寺を知る その1. 空間芸術家でもあった応挙 その2. 十一面観音と客殿 その3. 立体曼荼羅 その4. 大乗寺の立体曼荼羅(障壁画空間) その5. 客殿が曼荼羅になっていることがわかったのは? その6. 宗教的イメージの高揚を意図した間取り その7. 絵画空間と現実空間の接点 その8. 大乗寺の隠された符丁 その9. 行方知れずの絵 その10. 長くなった絵、短くなった絵 その11. 新しい発見1 二間続きで絵を見る。 その12. 新しい発見2 かすかな線は水辺となって見える… |
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