掛け軸 「王義之龍虎図」 円山応挙筆 絹本着色 天明7年[1787年]12月
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「王義之龍虎図」 円山応挙筆
王義之は中国東晋の能書家で楷書、行書、草書の三体を芸術的に価値の高いものに完成させた人物です。唐の太宗は彼の書を熱愛のあまり「自分が死んだら王義之の書はすべて自分と一緒に墓にうめるように」と命令したと伝えられています。その書風は奈良時代日本にも波及したことが正倉院の書物に見ることができ、小野道風によって完成された和様書体の母体となったのです。 龍は中国において古来霊獣と尊ばれ虎と対にして「龍虎図」として扱われる場合も多く、神秘的な威力を象徴しています。龍の形態は、角は鹿、頭は駱駝、眼は鬼、うなじは蛇、腹はみずち、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛に似ているといわれ、爛々と輝いている眼は一度見たら忘れることができないくらい強い印象を受けます。虎は毛並みよく力のみなぎった強さを内に秘めて描かれています。 三幅対(さんぷくつい)といわれる軸の飾り方で、3点の絵は単品で描かれたものを適宜組み合せるものと、当初より対として描いたものとがあります。
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