大乗寺 円山派デジタルミュージアム
Daijyoji Temple Digital Museum of the Maruyama School
◆お知らせ詳細 HOME > お知らせ詳細
2005/10/31

11月9日(水)午後8時「からくり絵師円山応挙」NHKBSハイビジョンで放送!

 山陰兵庫県香美町では朝夕に肌寒さを感じるようになった9月末日、NHKの撮影班が大乗寺を訪れ、特集番組のための撮影を行いました。著名な画家の足跡をたどりその作品の魅力を伝えるBSハイビジョン特集で、シリーズ<天才画家の肖像>に応挙がとり上げられるのです。これまでゴヤ、ピカソ、葛飾北斎、横山大観などをハイビジョンで紹介し好評を得てきた番組で、今回は雪舟、曾我蕭白、円山応挙を3夜連続で放送する企画ということです。
 9月26~27日の両日、大乗寺で行われた撮影を見学に行ってきました。撮影は早朝から日没までほとんど休みなく進められており、その丁寧で念入りに撮影する姿勢はさすがにNHKの特集番組だなと感じました。番組の内容についての詳細は知ることができなかったのですが、私達が見学した初日は俳優の渋谷鉄平さんが応挙に扮し、襖絵を感慨深げに眺めるシーンの撮影が進められておりました。今回の番組の重要なポイントとして、応挙の絵を平面絵画としてとらえるだけでなく、宗教的空間を構築しようとした応挙の空間アーチストとしての面にも焦点が当てられるようで、大乗寺での撮影は番組構成のうえでもかなりの重点がおかれているように感じました。「山水の間」の床之間の端から端までを敷かれたレール上をカメラがゆっくりと移動しながら撮影していき、直角の壁面に描かれた風景が視点の移動とともに次々につながって見える様は、そばで見学しているだけの私達にも圧巻の場面となるであろうと想像できました。また、山岨副住職もこういう撮影は始めてだと期待しておられるようでした。天候にも恵まれ、撮影のために障子を取り払った「孔雀の間」が黄昏の夕陽に映える瞬間に立ち会えたことや、蝶を描いた「芭蕉の間」の前庭に本物の蝶が飛んでくるなど、通常ではとても叶わない体感を得たことは、思いもかけずうれしいことでした。
 翌日、大乗寺を見渡せる山頂からの撮影のために出発する撮影班とお別れして、私達も大乗寺からの帰途につきました。
 当デジタルミュージアムでも紹介している応挙の立体曼荼羅の構想に光をあて、あまり知られていなかった応挙の空間プロデューサーとしての側面を紹介する番組になるのではないかと思われて大いに期待をしています。

放送は11月9日(水)午後8:00~8:55 BSハイビジョン です。
今回の特集は11月7日(月)雪舟、8日(火)曾我蕭白、9日(水)円山応挙となっています。






Copyright (C)Kameisan Daijyo-ji All rights reserved.