大乗寺 円山派デジタルミュージアム
Daijyoji Temple Digital Museum of the Maruyama School
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少年行図 山本守礼筆  採蓮図 亀岡規礼筆について 
 この部屋は馬に乗った少年を使者(メッセンジャー)と見たてたことから、この名がつけられました。少年が乗馬を楽しむ様を描いた「少年行図」を兄の山本守礼、蓮の池に舟を浮かべて遊ぶ女性達を描いた「採蓮図」を弟の亀岡規礼が描いています。どちらも中国の漢詩を絵にしたものですが、優雅な遊びを壮大な風景を伴って描かれているという点では共通しており、楽しく遊ぶ人と雄大な風景との融合が、宇宙的広がりの中での人の営みを表現しているようで、画題をよりいっそう意味の深いものにしています。大乗寺ではこの部屋のみ2人の画家が描いているのですが、異和感のない仕上がりを考えると、兄弟での制作にうなずけるものがあります。

◆若かった亀岡規礼
 大乗寺に応挙一門の障壁画が収められた時期は、前期と後期の2回に大きく分かれています。前期と後期の間には7年の時間の隔たりがあります。資料によると後期の寛政7年(1795年)には兄の山本守礼はすでに世を去っており、兄弟揃っての制作は前期の天明7年(1787年)頃であったと考えられます。そうするとこの時、山本守礼37歳、亀岡規礼は18歳前後であったと予想できます。この兄弟は実に19歳もの年齢差があったので、親子か師と弟子のような関係で大乗寺障壁画制作に加わったのか、それとも一人前の絵師として制作を任され自ら署名をしたのでしょうか。
 ちなみに亀岡規礼は天保6年(1835年)66歳で没するまで画家として活躍したようで、当時の人物誌にも記載されています。



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