大乗寺 円山派デジタルミュージアム
Daijyoji Temple Digital Museum of the Maruyama School
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梅花狗子図 山本守礼筆について  
 思わず触れたくなるような可愛いい子犬たちの襖絵です。犬は獅子や狛犬(こまいぬ)といった象徴的なものとして描かれる例が多く、この絵のように子犬のじゃれあう姿を描いたものはめずらしいのではないでしょうか。遊ぶ子犬の姿を的確にとらえた描写力は作者の力量とともに、写生を重んじた応挙一門の制作姿勢がうかがえる作品です。
 作者の山本守礼はこの絵のほかに使者の間の「少年行図」を大乗寺に残しています。守礼は大乗寺の襖絵を描いた数年後の寛政1年(1790年)世を去り、大乗寺障壁画制作の参加者の中で唯一師匠の応挙より早く没した絵師ということになります。

◆寸法違いで短くされた襖絵
 大乗寺の障壁画は京都の画房で制作された絵を香住の大乗寺に送り、現地で表装したようです。応挙は表装についての細かな指示を書き送ったりしていますが、香住と京都の距離は伝達の行き違いなども生じたことでしょう。「狗子の間」の正面に収まっている4枚の襖絵は、大乗寺に絵が収められた時点では柱幅分絵の左右が長かったようです(写真1)。表装を短くしたことで絵のバランスが狂わないように右から1枚目と2枚目の襖の間で柱幅分の絵を後ろに巻き込んで表装されています。(写真2)。見た目にはほとんど気付かないのですが、右から1枚目の襖と2枚目の襖の間を柱幅だけあけると枝がきれいに繋がるのがわかります(写真3)。大乗寺においでになったら確かめてみてください。


写真1
写真1

写真2
写真2

写真3
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